「告白」

 

 

私は今、好きな人がいます。

 

 

いつも真っ直ぐな瞳で、何かを見つめているあの人。

誰もが超えられなかった伝説を、その手で壊してくれたあの日、

私はあの人を好きになりました。

 

 

 

「凪さーん」

あの人が、私を優しく呼ぶ声。

「苦しいのは全部、オレ一人でいいっスよ」

そう言って笑う声。

 

 

愛しい声。

 

 

グラウンドのどこにいても、あの人の声だけはすぐにそれと解かる。

 

 

 

好き。

あなたが好き。

人はたゆみない努力をすることで、どんな伝説でも、手に届く現実に変えられる。

それを目の前で証明してくれたあなたが。

 

 

好き。

 

 

 

「あれ?凪、何やってんだ?帰んないのか?」

「てゆうか、ノートに向かって笑ってるの、ちょっと変…かも…。」

「ん?何書いてたんだよ?」

「…秘密です。」

そっと、ノートを抱えて立ち上がる。

 

 

いつか、このノートではなく、あなたの心に書き綴りたい。

 

 

私の、この告白を。

 

 

 

『猿野さん。

 私は今…。』

 

 

2002.06.01(c) Y.Mitome..

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